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不動産投資の利回りについて

投資用中古不動産の表面利回りに関しては、3%程度から10%超の物件まで市場に流通しています。竣工してから時間の経過の少ない物件、いわゆる築浅物件の表面利回りは相対的に低く、経過年数が多くなることに比例して表面利回りが高くなります。

ここでいう表面利回りとは、1年間に受け取る家賃の合計を物件購入価格で割ったものです。例えば、年間受取家賃が50万円で購入価格が1,000万円であれば、表面利回りは5%となります(50万円÷1,000万円=5%)。

実質利回りという言葉も良く耳にします。これは、年間受取家賃から固定資産税など、オーナーが負担しなければならない諸経費を控除して利回り計算を行います。

さて、不動産投資の利回りに関しても「リスクとリターンは表裏」という関係が適用されます。つまり、リスクの低い物件は利回りが低く、リスクの高い物件は利回りが高くなります。築浅物件の場合、修繕に要する費用は僅かです。給湯器なども4~5年では壊れませんが、15年くらい経過すれば交換時期になるでしょう。エアコンなども同じです。また、新しいうちはメーカー保証などもあります。つまり、築浅物件の利回りが低いのは、このような突発的な費用が発生するリスクが低いからです。

一方、20年くらい経過している物件になりますと、大規模修繕の時期や修繕積立金の積み立て状況などにも配慮が必要です。大規模修繕が計画されていても、それに見合う積立金があれば問題ないでしょうが、積立てが大幅に不足すると出費が嵩むことになります。また、トイレの配管が詰まったり、雨漏りが生じたりというトラブルも発生しやすくなり、これらに対処する費用はオーナーの負担となります。つまり、建築後の経過年数が大きい物件は、表面利回りが高くても、オーナーが負担する諸費用を控除すると実質利回りが低くなる場合もあります。加えて、老朽化してくると、売却も容易でない場合もあり、流動性リスクも高まります。

それでは、利回りに関して、リスクは高いが利回りも高い方が良いのか、リスクは低いが利回りも低い方が良いのか、という問題をどう考えれば良いのでしょうか。

これは、単純には答えが出ません。まさに投資スタンスの問題にもなります。利回りの高い物件を購入したところ、自分の所有中には特段の問題が出ない場合もあります。この場合は、リスクを取ったことにより、高いリターンが実現できたことになります。しかしながら、購入後、リスクが現実のものとなり、多額の修繕費がかかり、結果として赤字になるようなケースもあります。

一般論ですが、投資家の選択を見ていきますと、自分の資産が目減りするのを防ごうと考えている投資家は利回りの低い安全な不動産を買う傾向があります。一方、積極的に資産を増やしていこうと考えている投資家は利回りの高い物件を買う傾向があります。

なお、一般に東京の都心一等地の不動産は利回りが低い傾向にあります。これは、市場でリスクが低いと評価されていることになります。

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